青森県弘前市の農家、木村秋則さんに初めてお会いしたのは、2006年の暮れのことでした。その日から約1年半、木村さんの元に通ってお話を聞き、『奇跡のリンゴ』という本を書き上げました。
この本が、農業をテーマとした人物伝としては、ちょっと考えられないほどの読者の支持を得て、ベストセラーとなり、ついには映画化までされることになったのは、著者として望外の幸せです。
たくさんの方から、激励や賞賛のお手紙やメールを頂きました。ライターという職業でありながら、極端な筆無精という致命的欠陥を抱えており、そのほとんどにお返事を出すことができませんでした。
この場をお借りして、心からの感謝を申し上げます。
ほんとうに、ありがとうございました。
もちろん寄せられたのは、賞賛のお便りだけでなく、誤字や脱字、あるいは事実誤認に関する指摘もいくつかありました。それらに関しては、すぐに調べて、ご指摘が正しい場合には、版を改める都度書き改めてきました。
出版社や私のところに寄せられたご指摘に関しては、基本的にすべて対処したつもりなのですが、このインターネット時代には別の形で投げかけられる(?)疑問や反論があります。たとえばこういうブログやツイッター、あるいは各種の掲示板などへの書き込みです。そういうものについては、直接私のところへ質問が送られない限りは、原則として何もお答えしないできました。
けれど、それも良くないよなあ──。
と、近頃思うことが多く、まあブログでも書いてみるかということになりました。
極端な筆無精でありながら(しつこい?)、ライターをやっているというオソロシイ状況ゆえ、いつも締め切りに追いまくられ、ブログの更新がどの程度の頻度でできるのか見当もつきませんが、そういうことで今後ともよろしくお願いします。
ということで、次回は特定農薬について書くことにします。木村さんは、リンゴの栽培に特定農薬に指定されている食酢を使っています。「特定農薬だろうが何だろうが、農薬は農薬なんだから、彼がリンゴの無農薬栽培に成功したと書くのは、間違いじゃないか」というご指摘がありました。
その指摘についての、私の返信です。
あ、次の更新がいつになるのかわからないので、結論だけ先に書いておきます。
農作物の栽培に、特定農薬を使っても、もちろん無農薬栽培と言っていいのです(ただし現行法下では消費者に誤解を与えないように、酢あるいは重曹などを使用した旨を併記する必要はあります)。そうでなければ、日本にはただのひとつも無農薬の作物は存在しないことになります。
どういうことか、って?
それは、次回更新のお楽しみということで……。
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